『孤独の愉しみ方』ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智 (智恵の贈り物)

孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智 (智恵の贈り物)

20150314開始,同日読了.編集された名言集なのでざっと.

  • 「みんな」という言葉にまどわされてはならない.「みんな」はどこにも存在しないし,「みんな」は決して何もしてくれない.(p.24)
  • 理解できない相手を常識はずれだと思うのは,自分が愚かだからだ. (p.56)
  • なぜ僕たちはいつも,認識力を最も鈍いレベルに落とし,それを常識として賛美するのか. (p.57)
  • 生きていくのに必要な食料は,信じられないほどわずかな労働で手に入れることができる.(p.85)
  • 人生は丁寧に扱わなければうまくいかない. (p.110)
  • 生活費を稼ぐために,起きている時間のほとんどを労働に費やすのは,明らかに失敗だ. (p.160)
  • 1年に6週間ほど働けば,生活費はすべてまかなえる. (p.184)
  • 仕事のために目覚めた一日からは,得るものは多くない.朝,自分の人生を始めるために起きる.(p.192)
  • 人生にとって本当に必要な仕事など何もない.人生を無駄にしながら生きてはならない.(p.194)

自分の仕事をもう少し考慮して選ぶなら,人間はみな,本質的には研究者か観察者になるはずだ.というのも,人間の性質や運命は,明らかに誰にとっても同じように興味深いものだからだ.自分自身や子孫のために財産を溜め込もうが,一家や国家を築き上げようが,さらには名声を得ようが,人間は必ず死ぬのだ.しかし,真実を相手にするとき,僕たちは不滅であり,変化や不慮の出来事を恐れる必要はなくなる.(p.197)

  • 金のためだけに仕事をする者は,欺かれているか,自分を欺いているかのどちらかだ. (p.208)
  • 愚かな人間は,自分をより高く買ってくれる人を探し続ける人生を送る. (p.212)

有能で役に立つ人間は,地域社会がじゅうぶんな報酬を払おうと払うまいと関係なく,自分の仕事をきちんとやりとげる.しかし,無能な人間は,一番高く買ってくれる人に自分の無能さを売り込み,採用されるのをいつまでも待っている. (p.213)

  • 実際に存在する世界だけを見つめれば,いま抱えている不安はすぐになくなる. (p.232)

僕はしっかりした,明るい清潔な家に住んでいるが,それを建てるのにかかった費用は,あなたの家のようなあばら家の,一年分の家賃とほとんど変らない.あなたもその気になれば,1,2ヶ月で自分の城を建てられる.(中略)あまり働かないのでたくさん食べる必要がなく,食費もほんの少しだけ.しかし,あなたはお茶やコーヒー,バター,ミルク,牛肉を食すので,そのためにせっせと働かねばならない.体力の消耗を補うために,たくさん食べなければならなくなる.だったら,結局は働いても働かなくても同じことではないか.(p.243)

  • 家を持たず,また食べ過ぎることもなければ,働く必要もない.(p.252)
  • 朝を大切にしなさい.朝は活力をくれる.(p.276)
  • 心の中にいつも夜明けを持つ.常に朝の気持ちでいる. (p.278)