『揚げて炙ってわかるコンピュータのしくみ』秋田純一
2022-05-15 開始
2022-05-16 読了
タイトルの通り。なかなか尖った本
コンピュータの中身が見えなくなってきた。古い世代の人はゲームやりたくてプログラム覚えたりしてた。
じゃあ揚げて炙って中身を観てみよう!というのがメイン
だが、メインに至る前 (1,2,3 章) はわりとスタンダートに教科書的な内容で, 最後の 6,7 章は揚げ炙り関係ない。
揚げ・炙りが使われてるのは 4,5 章だけで、全体の 1/3 といったところ
取り出す手段として揚げ・炙りを使ってるところもあり、わりとふつーに分解でよかったのでは?という気にもなる
なんか温度で起こる変化があって、それでなかなか見えない知見が出てきたりするのか...?
最初の教科書的なあたり
1980年代のパソコンには、パソコンの回路図と OS のソースコードがついてた。完全に理解することができた。
『ハードウェアハッカー 新しいモノをつくる破壊と創造の冒険』
ブラックボックスなハードウェアを合法的に分解して中身を知る本。おもろそう
集積回路に回路をどんどん細かく詰め込んでいく
最近のトランジスタは、幅が原子数個分 (10nm くらい)。
いや数個ってことないか. Si (シリコン) 原子 0.2nm (2 オングストローム) なので, 10nm あれば 50 個は並ぶ
ここまでトランジスタが小さくなると、量子的な効果が無視できなくなってくる
トンネル効果によって「ゲートリーク電流」が発生する
IoT やら HTTP やら OSI layers の話やら. このへんはいいか
コンピュータの入出力 - HID (Human Interface Device)
メモリモジュール。物理実体としては、アドレスとデータからなる。
マイコン (Micro Controller) とは
- 数百円と安価で, 性能は一般的なコンピュータよりずっと低い
- CPU, memory, IO など構成要素がワンチップに乗ってる
- 用途に応じて多種の IO がある (タイマ, パルス生成, シリアル通信ポートなど)
マイコン規模ならコンピュータの動きをまるっと把握できる
N 型半導体 ... 余った電子 (自由電子) がいる
P 型半導体 ... 共有結合のなかに電子が一個足りない (正孔 = ホール)
MOS (Metal-Oxide-Semiconductor) トランジスタ. N型-P型-N型の構造になってる
論理回路。加算が究極の構成要素。
ただの演算回路から CPU へ。
さて、揚げて炙っていく。
PCB (Printed Circuit Board / プリント基板) には2つの方法で部品を乗せる
- 挿入実装部品 (through hole)
- 表面実装部品 (SMD: Surface Mout Device)
まず鍋に基板と油を入れます。油の量は基板が軽く沈むくらいで十分です。( p.79)
草
200 度を超えると、基板上の部品を軽くつつくだけで外れるようになる。
そして黒いチップを炙って半導体を取り出す。外側のプラスチックが炭化してもろくなり、崩せる。
炙って手に入れた
- ATmega328P
- ATmega328PB
の2つを比較する。後者のほうが安い上に性能がいい。
むき出しにして写真を撮って、画像の比率からざっくり長さを算出。データパスの長さが、
- ATmega328P ... 1.8μm
- ATmega328PB ... 0.6μm
みたいな結果になった
あと謎のパチモンチップを分解していたりする。
これ著者がいちばん楽しいやつやんw
;; ATmega328 みたいなやつ, ErgoDox 組み立てるとき部品集める際に出くわした気がするな...