『大衆運動』エリック・ホッファー

2022-08-13 開始、同日読了


原題、THE TRUE BELIEVER - Thoughts on the Nature of Mass Movement

大衆運動には宗教的なもの、社会革命、民族主義などいろんなタイプがあるが、本書ではそれらに共通したものを対象とする

大衆運動においてどのような教義が教え込まれるかに関わらず、(中略)つねに狂信と熱狂と熱烈な希望と憎悪と不寛容が育まれる。(p.8)

人々はさまざまな理由から聖なる大義に自分の生命を捧げるのであろうが、実際には基本的に同じもののために生命を捧げているのである。(p.9)

大衆運動の魅力。
変化を求める。革命。宗教面だったり国の改変だったり。
人々はなぜ変化を求めるのか?我々は、成功していても失敗していても、その原因を自分の外部に見出そうとする。欲求不満をもつものは、原因たる世界を変えようとする

大衆運動の最大の魅力の一つは、個人のもつ希望に代わる大きな希望をもたらすこと

現代の社会において人々が希望を持たずに生きることができるのは、絶えず何かに熱中して息切れがするほどに呆然としている場合だけである。 (p.33)

どのような大衆運動にも互換性がある。
大衆運動を抑えるには、その代わりに別の大衆運動を起こすこと

運動に参加する可能性があるのは、社会に不満を持つ…貧困者、不適応者、浮浪者、少数派、思春期の若者、野心家、妄想癖のある人、無能力者、極端な利己主義者、退屈な人、犯罪者

興隆しつつある大衆運動が支持者を魅惑し、維持することができるのは、その教義な約束の力らによってでは名倉個人の実存が直面している不安や虚しさや無意味さから逃れるための避難場所を提供することによってである。 (p.71)

これらの人々を無能な自己から解放し、緊密に結びついた集団へと変える、それで大衆運動は成功に向かう

大衆運動は言論人によって開始され、狂信者によって実現され、活動家によって強固なものにされる。(p.242)