『EAT 最高の脳と身体をつくる食事の技術』
2023-02-19 開始
2023-02-28 読了
参考文献がない(日本語訳だけかも)のがマイナスポイント
...だが, これのみを以て評価★★★★☆に下げるには惜しいくらい良い本
二部に分かれており、というか第一部が70%くらいの紙幅を割いており、第一部が「脂肪を減らす」で第二部が「頭をスッキリ、睡眠の質などその他の生活向上」という分類
なんかこの人のストーリー知ってる。子供の頃に不健康な食事をしまくって20歳で陸上の練習中に骨折して、骨がぼろぼろであることがわかって、でもあるとき考え方を変えて健康について学んで食事変えて改善したっての。
脳は、疑問を持つとそれに対する答えを意識的/無意識的に探し始める
カロリーの罠。カロリー算出は食品を燃やして水の温度をどれだけ上げるか、という定義。だが、人間の身体はそんな熱量測定器とは異なる。ブルーベリーの種など、体内では消化吸収されない部分もある。カロリー計算ではそのへんの種も全部燃やして熱量計算に入れられてる。他にもナッツなんかは成分表示上のカロリーよりも実際に吸収されるカロリーが小さい
また、PFC。食品を食べたとき、たんぱく質は、その摂取カロリーの30%ほどを「消化・吸収」に要する。だから実際に身体に入るのは食べた食品カロリーの70%ほどになる。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-030.html
食事誘発性熱産生、という。上の厚労省の記載に従うと、
P たんぱく質で30%
F 脂質4%
C 炭水化物6%
となる。たんぱく質すごいな。桁違い
体脂肪は臓器の一種と考えたほうがいい。
体脂肪に関するよくある誤ったイメージは「ばらばらな細胞」「体内に散在する小滴」みたいな
脂肪細胞は通常の1000倍の大きさまで拡張できる。
体内の脂肪細胞の数は生涯を通じて殆ど変わらない. 太る、というのは、既存の脂肪細胞の「中身」が増えること
脂肪はそもそも人体に必要。細胞膜は脂肪で構成されているし、脳の細胞も脂肪に依存している (ミエリンの80%が死亡)。
- 褐色脂肪: 脂肪を貯蔵しない...どころか燃焼する!ミトコンドリアを含むため独特な色をしている。筋肉細胞と共通の幹細胞前駆体に由来
- 白色脂肪: エネルギーを貯蔵する。以下三種類
- 皮下脂肪: 皮膚の真下に位置する体脂肪の総称で、全身に存在。余分なエネルギーの貯蔵、緩衝材、体温調節、神経や血管の通り道の役割。
- 内臓脂肪: 胴体の内側の奥にあり、臓器のまわりや筋肉の下に位置する。体内に取り込まれた余分カロリーの行き着く先
- 筋肉内脂肪: 運動を行うときにその場でエネルギーとして使用される
白色脂肪が褐色脂肪にまるっと生まれ変わることはないが、
白色脂肪が"褐色化"して「ベージュ色」になることはある。
カロリーの罠
1 カロリー = 水 1g の温度を1度上げるエネルギー、と定義されている
体内で食べ物のエネルギーが燃焼するプロセスは、測定容器の中の食べ物を燃やして水温を上げる方法とは大幅に異なる
カロリー測定においては容器内の食べ物を「すべて」燃やしてしまうが、実際の体内では消化できない要素(食物繊維など)がある。
体内では「食物の産生熱」という現象がある
これは食べ物を消化するためにカロリーを使うことを意味する。カロリーを吸収するにもカロリーが必要。栄養素に応じてこの比率は異なる
タンパク質の消化: 食べたタンパク質カロリーの 20-30% が費やされる
炭水化物: 食べた炭水化物カロリーの 5-10% が費やされる
脂肪: 食べた脂肪カロリーの 0-3% が費やされる
栄養成分的に同じであっても、加工された食品と加工されていない食品なら、加工されていない方がいい。
それを分解してエネルギーにするためにエネルギーが必要。
また、食べ物には消化されやすいものとそうでないものがある。
ナッツやブルーベリーは、栄養成分上のカロリーよりも実際に吸収されるカロリーが少ない。
たとえば 170kcal のアーモンドを食べても 129 kcal しか摂取されない、という研究がある.
上記研究自体は比較的最近だが, その土台というか出発点になったのは「アトウォーター係数」という概念
FYI: アトウォーター係数 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E4%BF%82%E6%95%B0
Wilbur Olin Atwater 博士は, 1900 年より前に世界で初めてエネルギー吸収率を測定した研究者
http://sports.hc.keio.ac.jp/ja/current-research-and-activities/files/2022/4/4/Newsletter40.pdf
PFC がそれぞれ P: 4 kcal/g, F: 9 kcal/g, C: 4kcal/g と定められたのもアトウォーター博士の仕事
これを初めて測定することは大変だったと思うが, 色々限界もあり, いまになって (e.g. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27974598/) 問題点が指摘されていたりする.
だが, これらの数値自体をそっくり置き換えるような新規理論はまだ確立されていない?
ああ, いや, アップデートされていってるな. 日本では『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』が 2015 年版と比べこの点で大幅アップデートされたっぽい
https://eiyo21.com/blog/fd_vol8/
マイクロバイオーム。
腸内細菌の多様性の高さは, 体重増加の少なさと「直接的な相関」がある. かなり強い結果だな
本書 (の日本語訳だけかも), 参考文献がなくてクソだが, 調べた感じ
Giovanna, et. al. (2019) "Gut microbiota" https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31391921/
この論文かな?
- HSL (ホルモン感受性リパーゼ)
- MGL (モノグリセリドリパーゼ)
- ATGL (脂肪トリグリセリドリパーゼ)
とくに HSL が脂肪の遊離を担う
反対の役割, つまり脂肪を細胞にとどまらせようとする酵素もあって, それは
- LPL (リポタンパク質リパーゼ)
である.
こいつらの"上司"は「インスリン」と「グルカゴン」
上から順にエネルギーとして使っていく
つまりグルコースとグリコーゲンが尽きて初めて脂肪が減っていく
ミトコンドリアは脂肪を「燃やして」万能通貨である ATP に変換する. β酸化
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/betaoxid.htm
腸で炎症が起きるとマイクロバイオームが乱れ体重増加につながる
また、肝機能の低下も腹回りに脂肪が増える要因となる。肝臓は代謝に関わる重要な仕事をいくつも担っている
アルコールはもちろん、炭水化物の過剰摂取でも肝臓が炎症を起こす。また、殺虫剤の化学物質も (住戸と愛に無害だとされているが) 肝機能に悪い影響を及ぼす
インスリンは脂肪細胞に対して, グルコース・脂肪酸・アミノ酸をあるだけ吸収するように指示する
タンパク質と炭水化物の比率を見直すことで、グルカゴンを味方位につけることができる
タンパク質が多い食事 (肉/魚) をとって 30 分が経過すると, グルカゴンレベルが大幅に上昇した
> それら (甘いお菓子) を食べても死亡を燃やすホルモンに仕事をさせ、脂肪を溜め込むホルモンの好き勝手させないようにする方法がある。摂取するタンパク質を上質なものにし、食事で摂るタンパク質と炭水化物の比率を変えるのだ (高タンパクな食事にしろという意味ではない) (p.87)
直前の文章とカッコ内が微妙に矛盾してない? よーわからんな
コルチゾールには筋肉異化作用があり、「糖新生」というプロセスによって筋肉の組織を急速に分解して燃料に変える。
コルチゾールはストレス下で増えるやつ。
たとえば捕食者を前にしたとき、多少筋肉を食いつぶしたとしてもいっきにエネルギーを生み出して逃げた方が生き延びられる。そういう機能を持っていた
脂肪細胞は十分なエネルギーを溜め込んだら「レプチン」というホルモンを出して、他の細胞に「食べるのをやめろ」と伝える
要は満腹ホルモン。ちなみにレプチンとはギリシャ語で「痩せている」という意味
デブった人の体内で上記のレプチン作用が発揮されず無限に食べ続けているのは、レプチン抵抗性が原因。
レプチンがメッセージを四六時中送りすぎて麻痺している。だから体内の生化学メッセージは常に「まだエネルギーが必要だから食べろ」になる。
生体と意志の力が戦ったら必ず生体が勝つ。
1日の最初の食事でタンパク質の比率を増やすと、グレリンレベルが低下する、という研究。
具体的に実験で使われたのは, P30%, F30%, C40% というバランスだった
タンパク質の比率を増やすとよいというデータはあるが、
タンパク質を「中心」とした食事を支持するデータは一つもない。
口の中でさっと溶けるような高カロリースナックを食べると、脳はそれにカロリーがないと思い込み、もっと食べろと指示をし続ける
やめられないとまらないってやつ。
フィルミクテス門に属する腸内細菌は「悪い最近ではない」
Firmicutes - ファーミキューテスとも読まれているっぽい。多くはグラム陽性で低 GC 含有。
マイクロバイオーム。腸内細菌の多様性と元気さ、あと菌の種類によって痩せやすさが違う。上記 Firmicutes 門に属する細菌、あと乳酸菌が多い方がいい、みたいな
食べるものの多様性を高める。旬の食べ物を食べたり、ブルーベリー・アーモンド・ピスタチオなどをローテーションで食べると良い
あとマイクロバイオーム的におすすめ食材は
・りんご
・アスパラガス
・ココア (チョコレート菓子のことではない!)
など
食物繊維の分類
- 水溶性食物繊維: 1日あたりの摂取量を増やすと内臓脂肪が減る研究
- アボカド、サツマイモ、芽キャベツ、ブロッコリー、りんご、人参など
- 不溶性食物繊維: 水に溶けないので, 消化管を掃除してくれる
- ベリー類、豆類、ほうれん草、ココア、サツマイモとりんご (こっちにも登場)、全粒穀物、くるみ、アーモンドなど
アメリカで現在推奨されている食物繊維摂取量は 25-30g / day
難消化性デンプン (レジスタント・スターチ)
自宅にもある「難消化性デキストリン」がこれに含まれる
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/about/type/dextrin/
難消化性「ではない」デンプンはあっという間に血流に乗って血中グルコースを上げるが、
難消化性のデンプンは消化されず故に血流に乗らず、善玉菌の餌となって腸内フローラを助ける。血糖の上昇を抑える。
;; 腸内フローラ = 様々な細菌が密集している様子を「花畑 (フローラ)」に例えた表現。正気か。 ref: https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/chonaiflora/aboutchoflora/
白米やじゃがいもは調理した後「冷やす」過程で大量の難消化性デンプンを生み出す。
白米は一回冷やしたほうが身体にいいってことか。
著者はグルテン避けまくってパンなんて食べなかったが、お腹の調子が崩れ、友人である意思のアドバイスに従ってしぶしぶパン・マメ・玄米を食べたところ改善したらしい
完全なる悪ってわけじゃない。
発酵食品。ザワークラウト、キムチ、ヨーグルト、納豆、味噌、ピクルス、ケフィア
大豆食品は「少量」取り入れるとメリットが有る。食べすぎるとよくない
豆はあくまで「炭水化物が主体」の食品である。ナッツも同様
1 日に最低でも 1,2 品目のプロバイオティクス食品、1-2 会の難消化性デンプンを含む食事、さらには様々な食品を通じて 20-50 グラム (量は各人の身体のニーズに応じて調整) の食物繊維を摂ることが望ましい (p.153)
卵は重量の 34% がタンパク質で 64% が脂肪 (そのほとんどは黄身にある)
牛乳(全乳)は重量のうちタンパク質が 21% しかない。48% が脂肪、炭水化物が 31%。
ひよこ豆 (ガルバンゾ) は人気。ディップ的に食べられるフムスが特に。
やや脂肪比率は高いけど、炭水化物よりタンパク質を多く取れる優秀なマメ。
プロテインパウダーはあくまで「サプリメント」
ホエイプロテインの品質は、原料を提供した牛の食生活にかかっている
食べたらちょうどいいエネルギーを得られ、ホルモンの働きが最適化し、一定の満足感が継続して脂肪の減少を促す炭水化物の量は人によって違う。 (p.193)
炭水化物の目安を 100g 以下 / day からはじめ、脂肪減少の様子と空腹感、エネルギーに満ちているか、というポイントで微調整していけば個人の最適摂取量を見極めることができる
果物の糖であるフルクトースは血流に達しないにも関わらずインスリン分泌を引き起こすし、GI 値も低い。摂取する甘味として理想的に思える。が、フルクトースの処理はゆっくり行われて、回り回って結局血流に入る。
炭水化物を取る最適なタイミングは?
=> 夜の方がよい。通説として「夜はあと寝るだけなので炭水化物を取るべきではない」と言われてきたけど、研究ではその常識と逆の結果が出ている。
1日の最初にたくさん炭水化物を食べてしまうと食欲が刺激され空腹を感じやすい
1日の初めの炭水化物量を押さえれば、1日を通じて蓄えられているグリコーゲンを使ってエネルギーを生成する
そして、摂るべき残りの炭水化物を夜に摂取すれば、貯蔵された脂肪が使用されるよりも先に貯蔵用のエネルギーが補充される (p.209)
ん?この文章は結局「夜に炭水化物食ってはダメでは」という結論に導いちゃうと思うんだけど
貯蔵された脂肪、使いたくない?
脂肪を使うフェイズは夜に炭水化物を食べる「前に」通過しているという想定か?
空腹状態では脂肪を燃やすホルモンの分泌が抑えられてしまう
トレーニングの目的が脂肪を落とすことなら、事前に何かを食べることは逆効果になる。それが炭水化物となればなおさらだ。 (p.211)
炭水化物を食べるならトレーニングの「後」がよい. そうすれば、脂肪として蓄積されず筋グリコーゲンの再合成に使われる
トレーニング後は炭水化物とタンパク質を食べる
体脂肪と食物脂肪はまったくの別物。
そもそも脂肪とは、特定の化学組成を持っている物質であるというだけの話
飽和脂肪はぎゅっと整列することができるので常温で固体。不飽和脂肪は液体。
エクストラヴァージンオリーブオイル (EVOO) は加熱するとあんまよくないので料理の仕上げに使うスタイルがオススメ
オメガ3が多いのはフィッシュオイル。DHA (ドコサヘキサエン酸) と EPA (エイコサペンタエン酸)
アルコールの特性
・燃料として一番に燃やされる
・体内でエネルギーとしての保存が利かない
・代謝に有益な栄養素は一切含まれない
故にアルコールはエンプティカロリーという言説が広がっているが、
実際は、アルコールは脂肪の燃焼を「停止」させてしまう (脂肪のスペアリング (節約作用)) ほか、レプチンの抑制作用が働いて食物摂取のストップがかからない
水を多く飲むだけで身体はカロリーを消費しやすくなる
微量栄養素。亜鉛、鉄、カリウムなどが不足すると過食を招く。
何故かと言うと、生存に必要な栄養素が不足することになるので、やべー何か食べろと食欲を刺激するため。
カロリーを摂取してお腹を満たすことはできるが、真に必要な微量栄養素が身体に取り込まれない限り、食欲は何度でも襲ってくる。 (p.268)
少量から中程度のコーヒー (1日に1-4杯) を飲む人は、コーヒーを飲まない人 (や飲みすぎる人) と比べて内臓脂肪が少ないという研究がある
炎症に関連する遺伝子がカフェインで抑制されることもあり、長寿になると。
;; てっきりコーヒーダメって言われるかと思ったら. わりといいじゃん. 嗜好品という意味だとアルコールは取らないのがベストという結果だったので対照的
お茶のカテキンは燃料として使用するために脂肪酸を「駆り集める」。そこで運動をすればバッチリ。
摂取する葉物野菜は多ければ多いほどいい。とくに1日の最初に食べるとメリットが大きい
高血圧、それ自体が悪いわけじゃない。
高血圧は心血管疾患などの「原因」ではなく「症状」である、と
1日にティースプーン2杯程度 (5g x 2 = 10g くらいかな) の塩を摂取してもほとんどの人には問題ない
;; FYI: あすけんの基準は 1 日 7.5g 未満に抑えることが目標になっている。これは『日本食品標準成分表2020年版』に基づくもの
MCT オイルは medium - 中程度の長さの脂肪酸。一般的な消化プロセスを回避して素早くエネルギーになる
MCT オイルを摂取した人は、LCT ("long" chain) と比べて体重・体脂肪も減り、満腹感を強く感じたという研究あり。
MCT オイルを摂取すると、体重は減少しつつ筋肉量はキープできていた。カロリー制限を強いるダイエットは筋肉量を犠牲にしがちなので、これは対策となる。
not 脂肪セクション - 睡眠、知的能力などの改善
人間は脳のわずかな割合しか使っていない、というのは今や否定されている。そもそも期限はどっかの自己啓発書であり、科学的なデータはない。
神経科学の分野ではかつて、人間の脳は脳が成熟する二十代に入ると「固定」され、それ以降は最小限の変化しか起こらないと信じられていた。...しかし、...栄養が豊富な環境と健全なライフスタイルであれば、人生の早い段階だけでなく人生の後半でも、脳の可塑性は改善しうると判明した。 (p.312)
食べ物を脳に届けるには BBB をいかに突破するかがキモ。
水と電解質のバランスを保つ。脳のほとんどは水で、次に比率が高いのは脂肪 (11%)。ただ、体脂肪と同じで、食べた脂肪がそのまま脳の脂肪として使われるわけではない。
さらに体脂肪は「貯蔵脂肪」だが脳の脂肪は「構造脂肪」と分類される。
BBB をすんなり通過できる脂肪は、オメガ3脂肪酸である DHA。サケ、ニシン、イワシ、キャビア、イクラなどに多く含まれる。
週に一回魚を食べる、というレベルで効果は期待できる。
EPA も DHA と事情は同じ。
植物性食品から摂取する場合は DHA ではなく ALA という形で摂取、体内でその一部 (摂取量の25%) が DHA になる
母乳の50%は飽和脂肪。乳幼児の BBB はゆるいのでそいつらが脳の構造脂肪に使われる。だが、大人になると BBB のセキュリティチェックが厳しくなり、食べた飽和脂肪が直接脳にいかなくなる。
この点で例外的に VIP 扱いされているのは (先述の DHA/EPA に加えて) MCT である。MCT は BBB を通り抜ける、と考えられている (by イェール大学のデータ)
(MCT は) BBB を通過でき、かつケトン体を産生できることから、MCT は直接的にも間接的にも、脳のエネルギー源になりうるものだと言える。 (p.326)
糖の過剰摂取とインスリン抵抗性はアルツハイマー病と強い関連性があり、"3型糖尿病" と呼ぶべきという示唆すらある
人工甘味料の危険。甘い味わいは通常何らかのカロリーを伴うのにそれがないため、脳の期待が外れる。
砂糖ではなく人工甘味料 (スクラロース) であっても、甘みを感じるだけで身体は騙されてインスリンを分泌する (by ワシントン大学医学部の研究)。
コーヒーを常習的に飲むと認知の低下を防ぎ、アルツハイマー病やパーキンソン病を発症するリスクが抑制される
睡眠に関しては著者の前著『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』に詳しいが、食事の観点からいくつか。
睡眠に関連するホルモンは腸で産生・貯蔵される。たとえばセトロニンの約 90% は腸に存在する。カルテックの研究によれば、セロトニンを賛成し分泌する腸内細菌とだけやりとりする細菌が見つかった。
安眠のための栄養素 (てかアミノ酸)、トリプトファン。
トリプトファンを多く含むのは、鶏肉、ロブスター、卵、チーズ、豆腐、チョコレート (これまた"本物の"チョコレートを意味)、ほうれん草、かぼちゃの種、ピーナッツなど
カリウムは睡眠を改善し、入眠後に目覚める回数を減らす効果が期待できる。あとはカルシウム、マグネシウム、オメガ3も。
アルコールはレム睡眠反跳を引き起こすため、就寝時間近くに飲酒すると、回復睡眠の質が約 24% 低下する。大量に飲むと -40%。
最低でもベッドに入る 2-3 時間前には飲み終えていましょう。
あとは脱水に注意。水をたくさん飲む。ビールやワイン1杯あたりグラス2杯の水 (500ml) が目安
カフェインは睡眠の質を損ねる。カフェインの半減期は長い (5時間)。ベッドに入る6時間前にカフェインを摂取したグループも、睡眠の質が低下した。
霊芝 (れいし) と呼ばれるきのこは、寝付きを良くして、深い眠り (ノンレム睡眠) の時間を増やす効果がある。初耳だったけど調べたらサプリとか出てる。
必要な栄養素は食べ物からとるのがいちばん。サプリメント中心に健康になろうとしてはいけない。