『闘うプログラマー』G・パスカル・ザカリー
- 作者: G・パスカル・ザカリー,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/07/23
- メディア: 単行本
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20150329開始,同日読了
原題: SHOWSTOPPER! (1994)
カトラー.DECの天才プログラマ
その時の仕事以外にまったく関心を払わない.それどころか馬鹿にする.
プログラミングは,不公平がなく明快なのが魅力だった.コーディングについて議論になったとき,意見ではなく,論理だけで決着がつき,しかも,かならず答えが出た.
p.39
ゲイツ,高校の先輩ポール・アレンとともに最初のパソコン「アルテア」を雑誌で見て,欠けている汎用ソフトウェアを作ろうと思いつく.
6週間でBASICを作り,これを売るためにマイクロソフトを設立.アルテアはすぐに消えたがBASICはインテル製マイクロプロセッサ用として作ったために残った.
1988年,33歳の時点でゲイツは億万長者になっていた.5年はコードを書いていなかったが部下の書いたコードチェックは欠かさない.
ゲイツの経営方針は「周りに優秀な人を集める」というシンプルなもの
カトラーがDECで「プリズム(マイカ?)」開発が中断され辞めたがっている噂を聞き,会う.マイクロソフトへの侮蔑を隠そうともせずDOSはおもちゃだと言い切るカトラーに本物だと判断.その時点で46歳.
入社し,NT(New Technology)を開発.カーネルとユーザランド(と呼ぶかは知らんが)を分離したクライアント/サーバモデルを提案. ゲイツは「遅くなる」といって反対したがカトラーは「遅くならない」と断言,そのまま進める.
後の方になってNTがWindowsシリーズに仲間入りし,WindowsNTと呼ばれるように. Windows式のAPIを採用,IBMのOS/2形式を捨てた.このへんでIBMとの決裂が目に見えてくる. ファイルシステムも新しいものに...NTFS(!)を作成.OS/2形式を捨てる.
2年くらい開発した後,ドッグフードを食べ始める.つまり日常の仕事をNTでやりはじめる.バグがどんどんみつかる.
SHOWSTOPER, プレゼンを中断させるほどの深刻なバグ.
経営者が現場に首を突っ込みすぎるのも危険.ゲイツはそのバランスをとるのがうまかった.カトラーとは適切な距離をおいた.
出荷された最初のバージョンは3.1. 当時のWindows最新版が3.1だったので.