『行動経済学 経済は「感情」で動いている』友野典男
- 作者: 友野典男
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/05/17
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20150602開始,20150604読了
行動経済学とは,既存の経済学に認知心理学を加えて改良しようとするもの
今までは反例(アノマリー)を集めてきた.次はそれを理論か体系化する段階
二人の子供がいるひとに「女の子はいますか」「はい」ならもうひとりも女の子である確率は1/3 が、女の子をひとりつれてあるいてるのを見ただけでは、質問したときとは異なり全可能性を串刺し検討した結果の事実ではないので、独立してて、変わらずもう一人の性別は1/2
ベイズルールに関する研究: 人間は事前確率を無視するような結論を出す傾向にある
カーネマンらの研究によればヒューリスティクスを用いた確率判断にはしばしばバイアスがともなう
「連言錯誤」
確率は条件を追加していくと必ず下がっていくはずなのだが、追加したあとの方がなんか馴染みがあったりするとそちらの可能性を高く見積もる
だいすうのほうそく!の逆。サンプルが小さいほど母集団とは離れる
アンカリング,そこから生じる確証バイアス.一端自分の意見や態度を決めるとそれを補強する情報ばかり集めること
;;僕は昔読んだ本に習ってスキーマ効果って読んでた
人間のシステムI(直感), システムII(分析・理性)
プロスペクト理論
プロスペクト理論は,期待効用理論の代替理論として考案されたものであり,標準的経済学の効用関数に対応する「価値関数」と確率の重み付けに関する「確率加重関数」によって構成されている.期待効用理論とは異なり,価値はある基準からの利得と損失で測られる.また確率は重み付けがされており,われわれは,確率が1/3であるという事象をそのまま1/3とは受け取らないという心理的性質が表現されている. (p.113)
- 低い確率の過大評価と高い確率の過小評価
- 期待値から少しずれるところでは一喜一憂するが,大きくずれてしまうともう倍になろうが関心を持たない
自分の保有しているものを手放すことの代償として要求する額は,それを持っていない場合に入手するために支払ってもよいと考える額より大きい (p.150)
どんな目標にも,実現することが自分にとって良いという意味での「望ましさ」と,実現可能性の二つの次元がある (p.248)
- 近い将来 => つまらなくても実現可能性の高い目標が好まれる
- 遠い将来 => 実現可能性が低いがおもしろい目標が好まれる
投影バイアス: 将来の自分の感情や好みは,現在と大きく変化しないはずと思う. 空腹時にコンビニ行くなって奴
"私たちの文化においては,思考と感情はほとんど無関係の切り離された世界にあるものと間違って教えられてきた.実際には,思考と感情はお互いに絡み合っている" -- マーヴィン・ミンスキー『心の社会』
より良い意思決定のために重要なのは思考よりも感情 ;; ここで言う「良い」とは
最終章「理性と感情のダンス」がとてもよい
「母音の裏には偶数が書かれている」というルールが守られているかを確かめたい.
- E, K, 4, 7 のカードがある.2枚めくるならどれとどれ?
という問題の正解率は10%程度. これを「アルコールを飲んでいるなら20歳以上である」と言い換え,
- ビール, コーラ, 16歳, 24歳
と置き換えるとぐっと正解率が上がる.
人類は進化で「裏切り者検知モジュール」を身につけてきた (コスミデスとトゥービーの研究)