『昆虫は最強の生物である』

20170528 開始, 同日読了

原題 "Planet of The Bugs -- Evolution and the Rise of Insects"
面白い. ちょっと教科書チックかな

著者は 29 ヶ国で 190 種もの新種昆虫を発見, 命名してる. 本書が初めての著書.

これまでに発見・命名されたものだけで昆虫の種類は 100 万種近くにのぼる

カンブリア紀にこっそり発見されたピカイア Pikaia. 脊椎動物すべての祖先らしい.

化石記録は常に不完全. いくつかの条件が揃わないと残らない.
浅い海では堆積物がひっきりなしに供給されるため, 比較的化石が残りやすい. カンブリア紀の化石もこの傾向.
たとえば現代の熱帯の森林では多様な昆虫があるけど, 多くの生きものの死骸はまるごと食われるか, 分解されてしまう. ほとんど化石として残らないと思われる.

30 億年に渡って生物は単細胞のままだった
多細胞生物が生れるまでになんでこんなにかかったのか? 何がトリガーとなり生まれたのか? 答えは酸素.

動物の形として優れているのは外骨格のほう. 天敵から身を守りやすい. カンブリア紀から現代にかけてその種と数を見よ.
排泄物を体内に蓄積するよりも, 体外に排出して外骨格を作るほうが理にかなっている
;; えっ骨格って排泄物扱いなの

オルドビス紀は人間視点では「魚の時代」とされるが, それは単に魚が人間の祖先だからという人間中心主義にすぎない.
客観的に見ると, カンブリア紀オルドビス紀をあわせて「三葉虫の時代」と呼んだほうがよさそう. あるいは「頭足類の時代」

動物の陸上進出はシルル紀に起こった.

21 世紀に入っても, 人間は脊椎動物の発達という観点で古生代を振り返り続けている (p.81)

昆虫は結果的に当時ニッチだった陸上での反映の道を選択することになり, 海には進出せず今に至る

もし地球外のどこかで生命が発達したとしたら, 節足動物に類似する外骨格をもつ生物が生息数において最大になるはず.
人類, 哺乳類, 恐竜なしの地球生命史はあり得るが, 節足動物を避けて生物が進化していくとは考え辛い.