『遺伝医学やさしい系統講義18講』
20140724開始-20140727読了
出処: ぼうのうさんのプレゼン
“これから”のライフサイエンス研究とバイオインフォマティクス (Next Generation Life Science & Bioinf…
雑感
2013年か4年の本.
わりと医療の現場視点が多く, 現在受け取りきれない情報もいろいろあったので評価ふつう. 他の本も呼んで数カ月後に再読すると良いかもしれない.
memo
全配列読んでも, 間違い率がすごく低くないとあんまメリットない(何%くらい?
ref: トンプソン遺伝医学
復習: アンチセンス鎖を転写してmRNAが生成される...ので, mRNAはセンス鎖と同じ配列になる.
調整されない, つまり恒常的に必要な遺伝子にはTATA BOXなどがない.
染色体をGバンド法で染色するとシマシマに. 島の濃いところがAT Rich, 薄いところがGC Rich. GC多いほうに遺伝子あることが多い.
- 筋ジストロフィーを起こす遺伝子は人のなかで最大2.4Mbpも存在
女性の2本のx染色体の片方は不活性化されてる
- ;; しかもランダムではなく, 片方の染色体に異常があるとそちらを選択的に不活性化するとかすごすぎだろ...
自然流産の70%が染色体異常, うち半分が常染色体トリソミー.
性染色体がXXX, XYYとかなるのは意外とふつーに生存可能らしい. ほう
遺伝型(genotype): ある遺伝子の知られているアレル(s)の組み合わせ.
多因子疾患
- 染色体異常0.6% > 単一遺伝子疾患1% > 多因子疾患5%
だが, 多因子疾患は高齢になってから生活習慣病として発露することがあり, 一般集団中では60%もの人が多因子疾患に該当する.
個々の遺伝子は「原因遺伝子」ではなく「感受性遺伝子」と呼ばれる
質的形質 = 0/1で区別することの出来る形質
量的形質 = BMIやコレストロール値など数値化出来る性質
多因子疾患の場合因子を持ってても普通の集団が10%のところ14%になるだけだったり, 臨床的に意味ある差とは言い難かったりする
- GWASだけでは遺伝要因が説明できないことがわかってきた.
- 全配列決定が必要になってくるのではという空気感も.
ミトコンドリア病
ミトコンドリアDNA(= mtDNA)は核からの因子によって転写制御されてる. ;; The extended genotype, とか?
「ミトコンドリア病」総称ではなく単一の病気.
エピジェネティクス
妊娠中の過度のダイエットにより幼児の倹約遺伝子がONとなり, 太りやすい/成人病になりやすい子が産まれる... という仮説がある.
- 生化学遺伝学. 先天代謝異常. 生化学的な検査が主体となる.
- ;; 遺伝子に原因を求められないの? んなことないよね?
集団遺伝学
- 遺伝的多型(genetic polymorphism). マイナーアレルが1%以上存在すれば.
- 多型の分類
コピー数の違い. CNV, 1%以上のものはCNP(copy number polymorphism/variation)と言う
ハーディ・ワインベルグの法則
- 2種類のアレルA1,A2がある座位Aを考え, それぞれの頻度をp, qとする(p+q=1)と, 遺伝型の頻度は
- A1A1 = p2
- A1A2 = 2pq
- A2A2 = q2
- で平衡に達するという法則.
遺伝性疾患の分子生物学的理解
塩基配列の変化の分類
- ミスセンス変異: 別のアミノ酸に置換される
- ナンセンス変異: 終止コドンが出来る
- 欠失, 挿入変異: DNAの塩基配列が欠けたり入ったり. フレームシフトも起こる
タンパクの発現パターンに着目すると以下の2ツ.
- ハウスキーピングタンパク: 細胞のプリミティブな機能に関わり, どこでも発現
- 組織特異的タンパク: 文字通り
遺伝性疾患の治療
- まずは原因と機構の解明. たとえばフェニルケトン尿症. フェニルアラニンをチロシンに変換するPAH(フェニルアラニン水酸化酵素)が欠損しているためフェニルアラニンが蓄積し, 神経症状が出てくる(尿とは)
対処としてはフェニルアラニンに分解されるような食事をしない. 厳密な食事制限
治療の介入レベル(分類にむりやり感)
- タンパクレベル: 不足してるタンパクを補う
- mRNAレベル: つまりは発現のコントロール. あとRNAi. どちらもまだ実験室レベル.
- DNAレベル: 細胞そのものを入れる…要は移植, のことだったり.