『時間と自由』ベルクソン
- 作者: ベルクソン,Henri Bergson,中村文郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/05/16
- メディア: 文庫
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20150401開始,20150402読了
1889年.時間,意識の持続,自由
1章: 心理的諸状態の強さについて
- 意識の諸状態,感情的なものは増えたり減ったりするものだと思われている
増減を言う以上それは「量」であるが,外的な「測定可能な」量とはまた別の内的な量,であると言える
希望というものをあれほど強い快感にしているのは,私たちが意のままにできる未来が,どれも楽しげで,どれも実現可能であるようなさまざまな形態をとって,誰にも同時に現れるからである.とはいえ,そのなかで最も欲しかったものが手に入ったとしても,他のものは犠牲にしなければならなかったわけだし,結局は多くを失うことになるだろう.だから,無限の可能性を孕んだ未来という観念の方が未来そのものより豊穣なのだし,そのため物をもつことよりも願い事をもつことに,現実よりも夢に,より大きな魅惑が感じられるのである.
p.21
光を感じること,美的感覚などはどのように「量」なのか,という考察
強さという概念は,
- 外的原因の表象的意識の諸状態を研究
- それ自体で自己充足している状態を研究
のどちらの側面を見るかに応じて二重の相を示す.
- 後天的知覚.
- 「強さ」と呼ばれる心的諸事実の多様性.混雑した知覚.
第二の点を進めていく.
2章: 意識の諸状態の多様性について
空間が等質的なもの <=> すべての等質的で無規定的な環境は空間と言える
等質性 = あらゆる質の不在
3章: 意識の諸状態の有機的一体化について -- 自由
ひとは注意深く観察すれば歴然と認められるはずの外的世界と内的世界のあいだの根本的差異を抽象してしまい,真の持続を外見上の持続と同一視している
流れる時間ではなく流れた時間を記号化しているもの
因果関係を現在の諸状態における未来の現象の一種の前駆的形成として思い浮かべるようになる