『問題解決 - あらゆる課題を解決するビジネスパーソン必須の仕事術』

20191116 開始, 同日読了
;; 評価 4 から 5 ってところ... 他の ★★★★★ に並ぶかと言われると悩むところではあるが, 5 にしとくか.

英治出版, アタリ本が多い

本書では戦略立案から分析, 問題解決までを扱う.
著者の信じる「唯一の問題解決の方法」を紹介.
正しい方法を使わず場当たり的に手を撃ちまくることの無駄 ("HOW 思考の落とし穴") を繰り返し批判.


順序が大切
where (問題の特定) -> why (原因の深堀り) -> how (打ち手の考案)

where ではなぜなぜ分析 (why じゃないのに) をして "何が問題なのか" を絞り込んでいく.
その問題の原因まではまだ触れない. 事象に着目する.
ははあ, もしかすると why にまとめられるのだけどこの著者は where -> why の 2 steps に分けている感じか.
両者の違いは, where のステップでは深堀りせずに「問題全体を分解」してどこにあるのか調べる一方,
why では問題全体を (あれ, 全体をでいいの?) 異なる視点で深堀りする.

HOW の落とし穴に陥るよくある原因は

  • 勘と経験による思い込み
  • 無責任・無関心
  • HOW 指示 (とにかくやれという指示に従う)

問題解決の "上級者" は仮説思考で.
HOW から先に思いついてそれを仮説としてそこから WHY に遡っても良い. 大切なのは全部がちゃんと繋がっていること

最初のステップ「問題を特定」のポイントは

  • 問題の全体像をとらえる - MECE, 視野を一段広げてみる, 期待される結果から逆算
  • 問題を適切に絞り込む
  • 論拠をつけて問題を特定する

「なぜ」の注意すべき点 = 「目的」と「原因」のふたつを表しうること.
e.g. なぜ旅行に行くの? => リフレッシュしたいから (目的) / 家族に言われたから (原因)

;; 著者は日本語の問題点と言ってるけどべつにそうでもなくない? 英語の why だって両方答えになりうる気がする.

と思って読みすすめると, 英語では "for (目的)", "because (原因)" とつかいわけられると言っている.
いやいやそれ「答え」の方じゃん. どちらの回答も why から引き出されるよ.

Why are you going to travel tomorrow?

  • to refresh myself ... あ for 使えなかった. じゃあ "for self refreshment" とか?
  • because my family encouraged me to do so

ほら. どっちかというと「から」という答え方が共通であるところに注意すべきかもな

閑話休題.

次. 原因追求.
事実関係を A -> B の因果で結んで, 原因ではない, 事実ではないと思われるポイントを外していく. node 同士が悪循環で繋がっている可能性もある.
事実ではない / 確認が取れていないものは点線にしておく
主な原因だなとなったらその矢印を太くする

一番下で打ち止めになるまで.
分析では曖昧な言葉を使わないようにする
原因を深堀りする中で「あっこれ単にやってないだけだな」と気付いたらそれは即座に手を打つべき. 深い理由もないのにやっていないだけ, という状況が見つかればラッキーと考える.

原因追求の因果の図が描けたら見渡してみる. 他人の目も使う.
一本道だったら広がりが足りない.
初手「なぜ」が一個だけで, そこから原因をどんどん広げていく末広がりパターンは初手の発想と消し込みが足りない. もしくはこれは別枝かと思ったけど循環していると見て root cause を絞っていくアクションが必要.
初手「なぜ」は複数出せているのに最終的にひとつの原因に着地してしまっていると「ほんとかー?」となる. これが示唆するのは「もうこの辺が原因だろう, 終わりにしよう」とエイヤで収束させてしまっているという悪癖


問題には 2 パターンある.

  • 発生型 ... 誰が見ても問題だとすぐわかる. 原因追求による再発防止が効果的. e.g. タスクが走りません / 電球切れちゃった
  • 設定型 ... あるべき姿に照らしてはじめてわかる問題. あるべき姿の設定による問題認識が効果的. e.g. SystemErrors が 1 回発生しました (リトライしてくれぇ) / 風呂掃除

設定型はその性質として難しい. 問題と思うか思わないかが人によってばらつく. それが問題であるという共通認識を作ることが難しい.
設定する際は個々の好みの what に引きずられてはいけない. まず大目的を合意して, それに対して「何が必要」「実際何ができる」かを見極めて決める.

KGI (key goal indicator) ... 目的を達成している状況かどうかを図る指標. たとえば優秀な人材に来てもらうことなら KGI = 内定受諾数とか.
;; <=> KPI (key performance index) 後述

で, あるべき姿と現状を比較してアクションを割り出す. 目標は具体的に!

分析フレームワークはいろいろとある. 3C, SWOT, PEST, Value Chain, SPRO, 4P...
賢く活用しましょう. 組み合わせてもいいぞ.

ここまでやって課題が明確になったらようやく初めて how に入る.
手を打つターゲットの原因がわかったら, そこに対して「大方針対策」をひっつけて, actionable になるまで具体的な対策に分解していく.
対策のそれぞれに対して 効果・コスト・(実現性)・時間 で評価.
時間ってのは所要時間かな.
思い付きの対策ではなく, 原因を分析してそこに対する構造化された打ち手になることがポイント. 最後の最後で how に引きずられて戻っちゃダメだよ. 大方針に合致する手段を採用すること.

そして, 組織変更や情報収集を結論として逃げちゃダメ. 組織を変えても情報を集めても, 行動が変わらなければ何も変化しない.
あとは単発の対策じゃなく仕組みに落とし込めるようにすること.

具体的対策を実施した後, ちゃんと効果が why にさかのぼり where に届いて問題を解決できそうかどうか考える. ドミノを最後まで倒せるか.

KPI (key performance index) ... 打った"対策が"本当に効いてるかどうかを測定するもの.
KPI は対策の段階ごとに種類があるぽい
1. 活動 KPI ... 対策を実施したか
2. 効果 KPI ... 対策が狙った効果に繋がっているか
3. 結果 KPI ... 対策によって結果が出たか (これだけが KPI かなってイメージがあった)
4. そしてその先に KGI があるのだ

で, おわったら.
KGI を達成できなければまた続き, 別の手を打ちつつ実施した対策の分析をする.
結果オーライは認めない. 正しい流れで再現可能にやれたか.
成功要因・失敗要因をまとめて見える化しておく.